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【日本舞踊】ある日のお稽古実況中継①
「お願いします。」
きものを着て、きちっと襟を合わせ、師匠の前で正座します。
扇子を持っている場合は、自分の前に扇子を置き、
両手を突いて、お稽古のはじまりの挨拶です。
「はい、お願いします。」
師匠も同じく、礼をしてくださいます。
「じゃあ、いきますよ。」
いつものとおりのお稽古ですから、まず前回までに習った部分までを、曲にあ
わせて、通しで見ていただきます。
いつものことなのに、ちょっと慌てて、出だしの構えを整えます。
師匠は、カセットテープの再生ボタンを押しながら、
「はい。」
曲が流れ始め、前回習った部分までを通して踊ります。
師匠にマンツーマンでお稽古をつけていただくことは、
慣れているとは言え、緊張感があります。
多分これは、生涯緊張し続けるのでしょう。
「はい。」
師匠がテープを止めます。
「だいたい振り付けは飲み込めてましたね。」
ちょっとほっとします。
よかった~。あの部分がちょっとあやふやで、不安だったけど、
だいたい良かったみたい。バレなかったみたい・・・。
「うん、でも、この部分が、できてませんでしたね。」
ええっ???
バレてた!!!!
やっぱり師匠の目は、ごまかせない・・・。
「そこは、もう少し手を、こんな風に上げて踊らなきゃダメですよ。」
「はい。」
その部分だけを曲無しでやりながら、指導いただきます。
「あっ、違う違う。こういう形で。」
言われたとおり、できていませんでした。
再度の注意が飛んできました。
[続く]
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